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TFHD GROUP MAGAZINE
2020年09月25日
おうち時間を充実させる「東京ポートシティ竹芝 レジデンスタワー」
2020年6月、東急不動産と鹿島建設が共同で開発を手がける「東京ポートシティ竹芝 レジデンスタワー」が竣工しました。新たな国際ビジネス拠点の創出を目的とした複合開発で、オフィスタワーとレジデンスタワーにより構成されています。
住宅機能を担うレジデンスタワーは、「スマートなライフスタイル」をコンセプトに、レジデンス、シェアハウス、サービスアパートメントの3タイプの住戸からなり、経営層向けの高級レジデンスやファミリー・DINKS向け賃貸住宅、クリエイター向けのシェアハウスや外国人向けのサービスアパートメントなど、多様な住居形態が用意されています。
入居者は、多様なサービスを統合した専用アプリを利用でき、顔認証とスマートロック機能により、エントランスからエレベーター、玄関までタッチレスでの行き来が可能です。また、住戸内の家電・給湯器の操作やラウンジの混雑状況の確認などもアプリで行うことができる、最先端テクノロジーを駆使した都市型スマートレジデンスとなっています。
さらに、建物内には東急スポーツオアシスのフィットネスアプリ「WEBGYM」を搭載したスマートミラー完備の「FITNESS ROOM」や、東急ハンズプロデュースのモノづくりを楽しむ場「DIY-LOUNGE」など、入居者の趣味や娯楽から仕事まで、あらゆる暮らしの「おうち時間」を充実させる共用施設・サービスを備えています。
帆をイメージした外観
エントランスホール
これらの施設・サービスを提供するのが、東急不動産をはじめとする計5社のグループ会社です。それぞれの担当者に話を聞きました。
こだわり抜いたハード面とソフト面(東急不動産)
プロジェクト全体の事業推進・商品企画を担当しました。マテリアル一つひとつにまでこだわり抜いた建物のハード面と、入居者専用オールインワンアプリなどのソフト面のサービスを掛け合わせることで、入居者さまの利便性や満足度を高めることができる物件になったのではないかと思います。グループ各社に加え、ホシノアーキテクツさま(デザイン会社)や蔦屋家電さまなど、多くの会社とコラボレーションして実現することができました。
また、多様な入居者を受け入れるだけでなく、自然と交流が生まれるように工夫をしたことも大きなポイントです。「LIBRARY-LOUNGE」は、テレワークや読書、入居者同士の交流など、さまざまなシーンでの利用が可能です。シェアハウス入居者限定の「WORK-LOUNGE」は、オープンキッチン付きのダイニングスペースや靴を脱いでくつろげる小上がりスペース、読書や映画鑑賞ができるソファースペースを備えることで、さらなる入居者同士のコミュニケーション活性化を期待しています。
LIBRARY-LOUNGE
WORK-LOUNGE
前例のない賃貸住宅営業(東急住宅リース)
賃貸住宅部分の営業を担当しています。本プロジェクトのポイントは、チャレンジングな取り組みを通じて、「スマートなライフスタイル」を実現できた点だと思います。とはいえ、IoT設備の運用方法の検討や賃料設定などには苦労しました。竹芝駅直結という好立地やワンランク上の充実した共用施設は、当社での実績や近隣競合事例がなく、単にマーケットで比較できるものではなかったため、社内で何度も打ち合わせを行いました。
実際にはエリア相場より高めの賃料設定で募集をスタートしましたが、竹芝駅直結で、今後は浜松町駅から歩行者デッキを利用できる立地、東京湾を一望できる眺望、最先端のシステム(スマートロック・顔認証など)や各種共用ラウンジを利用できる点などに共感いただき、竣工前から上々のスタートを切ることができました。賃料も幅広い価格帯でご用意し、多様なお客さまのニーズに合わせた住戸をご提供しています。
賃貸住宅
デジタル掲示板
バーチャル・ウィンドウ
創造力を刺激するモノづくりの場(東急ハンズ)
シェアハウス入居者専用の「DIY-LOUNGE」のプランニングと、入居者さまが住まい方やライフスタイルに合わせてアレンジを楽しめる「DIY住戸」の監修を担当しました。
「DIY-LOUNGE」は、住まい方のヒントを提供する場となるようなインテリアを意識して計画しました。また、道工具はモノづくりを通じて利用者の創造力を刺激し、クリエイティブなライフスタイルをサポートできるようなアイテムを揃えることを心がけました。レーザー加工機や3Dプリンターなどが利用できるのは魅力的なポイントだと思います。今後、入居者さまにDIYをレクチャーするイベント(ワークショップなど)の開催も検討しています。
DIY-LOUNGE
DIY住戸
自宅でのフィットネス需要に応える(東急スポーツオアシス)
共用施設のひとつである「FITNESS ROOM」の機器選定とサービス提案を担当しました。本プロジェクトでは、当社のオリジナルフィットネス機器「WEBGYM BOX」と、オンラインフィットネスサービス「WEBGYM」を組み合わせた新しいサービスを導入しています。無人のフィットネスルームでも安全に効果的な運動を楽しんでいただくため、「WEBGYM」や「WEBGYM LIVE」の動画コンテンツを、いつでも利用可能にしました。
私はこの「WEBGYM BOX」自体の開発にも携わりましたが、まだ日本にないサービスなので、各物件の担当者さまにご要望を聞きながら試行錯誤を繰り返しました。利用される方をイメージしてコンセプトを明確にしていき、少しずつ形にしていくのは、難しくも大変やりがいを感じました。新型コロナウイルスの影響で、自宅でのフィットネス需要が増えてきていることもあり、入居者さまにも最大限活用していただければ嬉しいです。
FITNESS ROOM
スマートミラー
緑に囲まれた環境づくり(石勝エクステリア)
レジデンスタワーの地上部・3階・屋上部の植栽施工管理を担当しました。ポイントは、全国から多様な種類の樹木を取り寄せたことです。メインツリーは、業務棟とのバランスや連続性を考え、存在感のある樹形の樹木を選定しました。地上部には、九州より取り寄せた12mのシマトネリコや10mあるウラジロガシ、歩道には6mのホルトノキなどを植栽しています。植え付けた時期は、ちょうど新芽が芽吹く時期でしたが、青々として美しかったことを覚えています。
竹芝駅と直結している3階部分の樹木は、すべてクレーンで吊り上げて植えました。すでに5mを超える樹高のものも多くありますが、今後さらに成長し、味のある樹木になることがとても楽しみです。そのほか、「WORK-LOUNGE」では、緑に囲まれた環境で集中して仕事や読書ができるようなインドアプランツを整備しました。これほど大規模なプロジェクトに携われる経験は滅多にないので、今回の経験を今後の造園施工管理人生に活かしていきたいと思います。