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TFHD GROUP MAGAZINE
2020年01月06日
お客様目線で次世代の暮らしを考える、
東急不動産ホールディングスの「ライフスタイル創造」
東急不動産ホールディングスでは、独自性のある価値創造を続けるために「ライフスタイル創造」という考え方を大切にしています。お客様との対話の中で新しい価値を創造してきた私たちの姿勢について、住宅事業で長くお客様と向き合ってきた執行役員の亀島成幸(かめしま・しげゆき)の視点からご紹介します。
お客様の想い、暮らしとの出会いが、仕事の出発点
マンションのお引き渡しが終わり、見上げてみると、夕闇の中に部屋の明かりが灯っている。
それまで誰も住んでいない四角い箱だったところで、"暮らし"が始まる。
この風景が自分の会社人生のコアにある、という亀島。1990年に東急不動産に入社し、不動産鑑定部門、マーケティング部門を経て、5年目に販売会社の東急リバブルに出向、ほどなく15名ほどのプロジェクト責任者となりました。そこで過ごした5年間は、お客様と一緒に泣き笑いしてきた濃密なものでした。
中でも亀島にとって忘れられないのは、あるご家族のことです。手を尽くしてもなかなかローンが通らず苦労されたお客様でしたが、奥様は新居を諦めきれず、毎日販売センターにいらっしゃいました。そこでお部屋の間取りや家具の配置のことなど、ありとあらゆるご相談をしていただいたのです。
亀島「そのお客様は、ついにローン審査が通り、晴れてご成約となりました。私も本当に嬉しくて、ご家族が新居で食卓を囲む風景を想像しながら大皿をプレゼントしたんです。そうしたら奥様が『ありがとう』と号泣していたのを今でも覚えています」
誰よりも真剣になって、そこに住まうことを切望してくださっているお客様のご意見は、亀島たちにとっても発見の多いものでした。
亀島「事業のアイデアは、決して天から降ってくるものではありません。お客様の声をていねいにくみ取ったその先にこそ、新しい暮らしのアイデアが生まれる ──私たちは創業以来変わらない想いで、お客様に向き合っています。
私どもとお客様は商取引をする関係ですが、そこにあるのはモノのやり取りだけではありません。お客様の理想の暮らしのお手伝いをした結果、『最高の住まいだよ』といただいた感謝のお言葉こそが、私の仕事の出発点です」
「挑戦するDNA」を活性化するための取り組み
5年間の出向を終えて東急不動産に戻った後、2012年には、3つのマンションのブランドを「BRANZ」に統一するリブランディングを担当。「人生を極める住まい」というキャッチコピーで、マンションブランド浸透のために悲願であったTVCMを初めて実施しました。
その後、住宅事業本部の事業戦略部長を経て、2017年、総務、法務、人事担当執行役員に就任。社長より直接内示を受け、「一般管理部門から、社の組織風土を変えてほしい」という話がありました。
亀島「わが社の理念は『挑戦する DNA』。もともと、風通しが良くて新しいことにトライさせてくれる気風はあるんです。ただ、不動産業界は景気の浮き沈みをダイレクトに受ける業界で、わが社も経営危機を経験しました。そういった市況の影響を受け、萎縮してしまっていた部分もあったのかと思います。自分たちの DNAがどこにあるのか思い出させてほしいというのが、経営陣からのオーダーでした」
それを受けて亀島が始めた施策のひとつに、若手社員が推進する「グリーンフラッグプロジェクト」があります。東急不動産ホールディングスのコーポレートカラーである「グリーン」を旗印に始まったこのプロジェクトは、30名ほどのグループでスタートし、1年弱経った2019年12月現在は約50名にメンバーが増えています。
亀島いわく「上の人たちに内緒で、いいと思うことをやっちゃおうプロジェクト」
たとえ業界の慣習にないことでも、発案に対しては否定せずにまずやってみよう、というものです。服装のカジュアル化は不動産業界でも先駆けて進めており、ノーネクタイなどの一般的なクールビズから、Tシャツやくるぶし丈パンツなどもOKと一歩先へとトライしています。
また執行役員以下のスケジュールはすべて共有したことで、会議設定の手間が飛躍的に省けることになりました。「ナナメンター」という、直属の先輩後輩の関係ではない人からアドバイスをもらえるようなしくみをつくり、新たなアイデアが生まれる土壌をつくろうという動きも。
こういった日常的な働きやすさの向上への取り組みに加え、社員のモチベーション向上や、東急不動産で年間5万時間の業務時間削減を目標に、業務自動化(ロボティクス推進)・フロー見直しにも取り組んでいます。
亀島「もしかしたら上の人間は一部眉をひそめていることもあるかもしれませんが、従業員が自発的に行動し、会社に対し提唱しているのに、否定したらかっこ悪いですよという雰囲気をつくるようにしています。ボトムアップで意見を聞いてもらえる風土があれば、新しいことにも挑戦しようという気概が出てくる。これから入ってくる社員のためにも土壌をつくっていきたいですね」
「住む・働く・過ごす」を新しく提案するライフスタイル創造
私たちは創業以来、社会課題の解決に向き合いながら、事業価値を継続して向上させてきました。
グループの原点・田園都市株式会社の渋沢栄一は、1918年、住宅不足の時代に、自然と都市の長所を併せ持つ「田園都市」構想を取り入れた街づくりを推進。
現在、東急不動産ホールディングスは、マンション・住宅販売や仲介だけでなく、小売業の東急ハンズやリゾート業の東急ハーヴェストクラブ、シェアオフィスのビジネスエアポートなど、「住む・働く・過ごす」に関わる幅広い事業を展開することで多様なアセットに関与し、多彩なお客様との接点を生み出しています。
これは他の大手デベロッパーにはない大きな特長で、2013年にホールディングス化してからは、さらに相互連携の強化を図ってきました。
そして2015年、大隈郁仁の社長就任にともない「ライフスタイル創造」というキーワードを掲げ、各事業において新しい生活提案に取り組んでいます。
「住まい方の提案」では、分譲マンションとシニア住宅、保育、介護支援といった付加価値をつけたプロジェクト「ライフストーリータウン」の推進や、学生情報センターとの協業による学生レジデンスを展開。
「働き方の提案」では、植物の緑がもたらす力で日本の働くことをデザインしていく「Green Work Style」やIoT化の推進、働く場の多様化などに取り組んでいます。
また「過ごし方の提案」では、多様なショッピング施設やリゾート施設において、さまざまなお客様に「豊かな時間」や「豊かな体験」を提供。
亀島「今後、もっとロボティクスが進化して自動運転や操作が増加したり、 MaaSなど移動手段の革命的進展が起こったりすることで、人間には余暇が増えることが予測されます。その余った時間で何をするか、という『過ごし方』については、とくにダイナミックな変化が起こるのではないかと思います。
私たちはまさに、そういった時代の変動期に、新しい提案をするのが得意な企業だという自負があって。お客様をあっと驚かせるような、そしてその後に喜びが訪れるような、そんな事業を創造していくことを考えて、とてもワクワクしているんですよ」
ホームグラウンド・渋谷のパワーに浸りながら、新しい挑戦を
テクノロジーの急速な発展により、IT・デジタルの世界のみならず、人々の暮らしのあり方そのものが大きく変容しつつあります。
幸いなことに、多彩なお客様とのタッチポイントをもつ私たちは、お客様の声の中に、さまざまな新しい事業のヒントを見いだすことができます。その機を見逃すことのないよう絶えず感覚を研ぎ澄まし、柔軟に素早く事業化していくことで、時代の急流のさなかにあっても自信をもってお客様に提案し続けていけるのです。
2019年8月、当社グループの本拠地はホームグラウンドである渋谷に再び戻りました。「渋谷ソラスタ」に東急不動産ホールディングスの本社が移転し、グループの新しいコミュニケーション拠点を形成しています。
亀島「これまで本社は南青山にあったのですが、『やっぱりうちのホームは渋谷だよね』という感覚は社長を筆頭に従業員みんなに共通していて。
今、渋谷は外資企業やスタートアップが数多く集まる街になっています。混沌としている中に不思議なパワーがあって......。ここにいるとそのパワーをもらいながら、何か新しいものを生み出すことができるのではないかという想いが湧いてきます。
私たちもその空気に身を浸しながら、新しい時代の風を起こしていきたいですね」
これまで、「住まいを提供した先の暮らしのヒントを提供する」というコンセプトで誕生した東急ハンズや、他社に先駆けて取り組んだシニア事業など、私たち東急不動産ホールディングスは、社会課題に向き合い時代のニーズを先読みしたユニークな事業を生み出してきました。
そんな「挑戦するDNA」を誇りに思いながら、常に新しい環境に心躍らせて飛び込み、進んでいきたいという亀島。従業員一人ひとりの「価値創造の力」を最大限に成長させ、事業のエンジンをより強いものにするべく、新しい挑戦は続きます。
Text by PR Table