GROUP ACTIVITIES

コロナ禍で変わる新しい社会への適応

星野 浩明

デジタル社会の到来で、
新しいライフスタイル創造へ

東急不動産ホールディングス株式会社 取締役 執行役員

星野 浩明

新型コロナウイルスの影響で、距離・場所・時間の価値観に大きな変化が生まれています。テレワークやEコマースの普及、今後は規制緩和の動きも含めて、あらゆる取引のデジタル化が進んでいくでしょう。個人・法人を問わず、オンラインとオフラインの使い分けが進む一方、両者の融合も進んでいくものと思います。

テレワークの普及に伴い、オフィスのあり方や需要に関するメディア報道が増えました。オフィスは偶発的な気づきや発想を得る場であり、従業員のエンゲージメントを高める場へと役割がより明確化され、その過程で新たな需要も出てくるものと思います。働く場は、会社や自宅、コワーキングスペース、リゾート地など、それぞれの職務やライフスタイルに応じて、多様に使い分けがなされていくでしょう。当社グループは、会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート」をいち早く展開してきましたが、こうした新たな需要を捉えるとともに、従来のオフィスも変化に合わせたバージョンアップを繰り返していくことが、私たちデベロッパーの役割だと考えています。

アフターコロナの変化として、在宅需要の拡大、あらゆる消費行動のデジタル化などのトレンドを予測しています。各事業では、コロナ禍における感染対策と事業継続の両立を図るとともに、このような変化を事業機会として捉え、新たな商品やサービスの提供に取り組んでいます。コロナ禍以前より、小売業におけるEコマースは年々拡大していましたが、今後は体験消費、非日常消費など、これまでリアル中心で完結していた消費行動のデジタル化も進み、お客さまにとってオンライン・オフラインの境界は取り払われていきます。私たちは、このような価値観や生活様式の変化に対応した取り組みを各事業で加速させていきます。

ダイバーシティや個が重んじられる現代において、本格的なデジタル社会の到来は、自分らしい生き方を実現しやすい社会になるのではないでしょうか。お客さまとの豊富な接点を持つグループとして、住む・働く・過ごすといったフィールドで、それぞれの自分らしい生き方をサポートし、個々の生活者に寄り添うことで、新しいライフスタイル創造につなげていきたいと思います。

多様なアセットに関与するグループとして、私たちはこれまでリアル空間の価値を高め、エリアやコミュニティの価値向上をめざしてきましたが、デジタル化が進んでも、この大きな方向性は変わりません。デジタル技術を活用し、お客さまの利便性や体験価値(UX)を高めることで、関与アセットの価値を最大化させ、魅力ある都市生活の創造に寄与していきたいと考えています。

予測される社会の変化と関連する事業

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トレンド 行動変容・変化 主に関連する事業
テレワークの不可逆的普及
  • テレワークやオンライン会議の定着
  • テレワークに対応した制度設計・評価体系
  • オフィスに求める機能・役割の変化
  • 都市事業(オフィスビル、シェアオフィス)
  • 住宅事業
  • ウェルネス事業(ホテル、リゾート)
在宅需要の拡大/
健康増進意識の向上
  • 移動の減少、自宅滞在時間の増加
  • 運動時間の増加
  • 住宅事業
  • 管理事業
  • ウェルネス事業(ヘルスケア)
あらゆる消費行動のデジタル化
  • Eコマースの不可逆的普及
  • 非日常消費のデジタル化・オンライン化
  • インターネット利用、オンライン交流の増加
  • 取引・契約のオンライン化
  • 全事業
    (特に商業施設、物流施設)
リモート学習・医療などの普及/
データ利活用の拡大
  • 規制緩和、旧来からの社会慣習の打破
  • スマートシティ開発の進展
  • リモート就活の定着、オンライン授業の浸透
  • 都市事業(オフィスビル、商業施設)
  • 住宅事業、管理事業(リフォーム工事)
  • ウェルネス事業(ヘルスケア)